
中国旅行や出張が近づくと、誰もがまず気になるのが「中国でWi-Fiって普通に使えるの?」「日本のアプリは動く?」「VPNが必要って本当?」という点だと思います。
実際、中国のインターネット環境は日本とはまったく事情が違います。
ホテルのWi-Fiが遅かったり、LINEやInstagramが開けなかったり、SNS投稿ができなかったり──。事前に仕組みを知っておかないと、現地で想像以上に困ることがあります。
そこでこの記事では、
中国でWi-Fiを使うときに知っておくべき“すべて”を、初心者向けに簡潔にわかりやすくまとめました。
中国のWi-Fi環境 結論:使えるけれどクセがある

まず大前提ですが、中国でもWi-Fiは普通に使えます。
空港、ホテル、カフェ、ショッピングモールなど、街中の多くの場所で無料Wi-Fiを提供しています。ただし、日本とは違う点が2つあります。
接続の安定性にムラがある
都市部は速いですが、ホテルや地方では急に遅くなることがあります。
“ネット規制”がある
中国のWi-Fiでは、Google・YouTube・LINE・Instagramなどがそのままでは使えません。
そのため、多くの人が VPNをセットで利用 します。
中国でネットを使う方法は5種類【タイプ別比較】
| 方法 | 安定性 | 規制回避 | コスパ | 旅行者向き |
|---|---|---|---|---|
| ホテルWi-Fi | △ | × | ◎ | △ |
| 街中の無料Wi-Fi | △ | × | ◎ | × |
| 海外ローミング | ◎ | ○ | × | ○ |
| 現地SIM | ◎ | × | ○ | 中級者向け |
| eSIM | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| ポケットWi-Fi | ◎ | × → VPNセットで◎ | △ | ○ |
| 香港シム | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
ネット環境費用の目安(旅行者向け)
| 項目 | 目安料金 |
|---|---|
| eSIM | 1,000〜2,000円(数日〜1週間) |
| ポケットWi-Fi | 700〜1,100円/日 |
| 海外ローミング | 980〜2,980円/日 |
| ホテルWi-Fi | 無料 |
| 香港シム | 1200(7日)〜2000円(30日) |
| VPN(ネット環境が別で必要) | 300〜1,200円/月 |
個人的なおすすめは香港シムです。アマゾンや楽天市場などで買えます。
中国Wi-Fiの安全性:公共Wi-Fiはリスクあり

中国のWi-Fiは便利ですが、安全とは言えません。
公共Wi-Fiは暗号化が弱い
空港やカフェのWi-Fiは誰でも接続できるため、盗み見のリスクはゼロではありません。
VPNが安全性を補う
VPNを使うと通信が暗号化され、第三者に内容を見られにくくなります。
SMS認証が必要なWi-Fiが多い
海外番号では受信できないこともあり、旅行者には不便な場面も。
ホテル/空港/カフェ別|中国Wi-Fiの注意点と対策
中国では、Wi-Fiの環境や制限が場所ごとに大きく異なります。「ホテルなら安心」「空港なら大丈夫」と思っていると、意外な落とし穴にはまることもあります。
ここでは、よく使う3つの場所別に、注意点と現実的な対処法をまとめます。
ホテルのWi-Fi|一番使いやすいが「万能ではない」
よくある状況
- 客室・ロビーともにWi-Fi自体は安定している
- 接続は簡単で、パスワード入力だけの場合が多い
- ただし海外サービスは普通にブロックされている
特に、日本で当たり前に使っている
Google検索、Googleマップ、LINE、Instagram などは、
Wi-Fiに繋がっていても開かないことがよくあります。
注意点
- 「Wi-Fiがある=日本と同じネット環境」ではない
- 出張・長期滞在ホテルでも規制は同じ
- VPNが使えないと、仕事や連絡に支障が出る
対策
- 中国対応VPNを事前に用意
- 重要な作業はモバイル回線+VPNの併用が安心
空港のフリーWi-Fi|短時間向き・過信は禁物
よくある状況
- 無料Wi-Fiが用意されている
- SMS認証が必要(中国の電話番号が求められることも)
- 利用者が多く、通信速度が遅い
到着直後に
「地図を見たい」「家族に連絡したい」と思っても、
認証でつまずいて使えないケースがかなり多いです。
注意点
- SMS認証ができず接続できない
- 接続できても速度が不安定
- VPNなしでは使えないサービスが多い
対策
- 空港Wi-Fiは「補助」と割り切る
- 到着前から使えるeSIMやSIMを準備
- 重要連絡は自前回線で行う
カフェのWi-Fi|お店次第で当たり外れが大きい
よくある状況
- Wi-Fiがある店と、ない店がはっきり分かれる
- パスワードはレシートや店員に聞く形式
- 混雑時は極端に遅くなる
観光客向けカフェでも、
**「繋がるけど何もできない」**状態になることは珍しくありません。
注意点
- セキュリティ対策が弱いことが多い
- 個人情報入力は危険
- 店内Wi-Fiが突然切れることもある
対策
- カフェWi-FiではVPNを常にON
- SNS閲覧程度にとどめる
- 仕事や重要操作はモバイル回線で
場所別まとめ
中国のWi-Fiは、
ホテル=安定だが規制あり
空港=一時的・不安定
カフェ=当たり外れが大きい
という前提で考えるのが安全です。
中国でVPNは本当に必要?【結論:ほぼ必須】

「ホテルWi-Fiだけ使うからVPNはいらない?」──現実的には必要です。
VPNが必要な理由
- LINE・Instagram・Googleが開かない
- SNS投稿ができない
- 地図アプリが使えない
- Wi-Fiが遅いとVPNの方が安定することも
- ホテルWi-Fiは公共Wi-Fiと同じだから、安全性が低い
以上の理由から、旅行者がVPNなしで快適に過ごすのは難しいです。
完全に規制されている(VPNなしでは基本的に使えない)
検索・Google系サービス
- Google 検索
- Google Maps
- Gmail
- Google Drive
- Google Docs / Sheets / Slides
- Google Photos
- Google Translate(※非常に不安定)
- Google Play
👉「Googleが使えない」と考えたほうが早いです。
SNS・コミュニケーション
- LINE
- X
- Telegram
- Signal
- Messenger
👉 日本人旅行者・出張者が一番困るゾーンです。
動画・エンタメ
- YouTube
- Netflix
- Amazon Prime Video
- Disney+
- Twitch
クラウド・IT系
- Dropbox
- OneDrive
- GitHub(※不安定・遮断されることあり)
- Slack
- Notion
👉 リモートワーク勢は特に注意。
規制はされていないが「非常に不安定・使えないことが多い」
Apple系
- Apple iCloud
- App Store(ダウンロード・更新が極端に遅い)
翻訳・地図
- Google Translate
- Google Maps
👉 代替としては、百度地図・高徳地図など中国系アプリが主流。
日本人が「特に困りやすい」サービスまとめ
| ジャンル | 使えない代表例 |
|---|---|
| 検索 | Google検索 |
| 地図 | Googleマップ |
| 連絡 | LINE / WhatsApp |
| SNS | Instagram / X / Facebook |
| 動画 | YouTube / Netflix |
| 仕事 | Gmail / Google Drive / Slack |
まとめ
中国ではGoogle・LINE・Instagram・YouTubeが“普通に使えない”という前提で準備する必要があります。Wi-Fiがあっても、VPNがなければ意味がない場面が非常に多いです。
これらが必要な人は VPNが必須 です。
中国のWi-Fiで起こる問題と解決法は?

中国でWi-Fiを使うと、日本や他の海外とは「前提」がまったく違います。Wi-Fiマークが表示されていても、実際にはほとんど何もできないという状況も珍しくありません。
ここでは、中国のWi-Fiで実際によく起こる問題を、理由・症状・対処法まで含めて詳しく解説します。
問題①:Wi-Fiにはつながるのに、Webサイトやアプリが開かない
中国で最も多いトラブルがこれです。
接続自体は成功しているのに、
- Google検索が真っ白
- Gmailが読み込まれない
- Googleマップが動かない
- LINEやInstagramが接続エラーになる
といった状態になります。
なぜ起こる?
中国では、海外の一部サービスへのアクセスが制限されています。
そのため、Wi-Fiが正常でも「行き先」が遮断されてしまいます。
解決法
- 中国対応VPNを使う
- VPNは渡航前にインストール・設定まで済ませる
※現地でVPNを探すのは、かなり難易度が高いです。
問題②:フリーWi-Fiの接続認証がやたらと面倒
空港・ホテル・商業施設などのフリーWi-Fiでは、
- SMS認証が必須
- 中国の電話番号しか使えない
- 認証画面が中国語のみ
といったケースが頻繁にあります。
「Wi-Fi一覧には表示されるのに、先に進めない」というのは典型例です。
なぜ起こる?
実名制・利用者管理の影響で、Wi-Fi利用時の本人確認が厳しくなっています。
解決法
- フリーWi-Fiは「使えたらラッキー」程度に考える
- eSIMやSIMカードで、最初から通信手段を確保しておく
問題③:通信速度が極端に遅い・安定しない
特に以下の場所で起こりやすいです。
- 空港
- 大型ホテルの夜間
- 観光地のカフェ
ページが開くまで数十秒かかったり、動画が止まり続けたりします。
なぜ起こる?
- 利用者が多すぎる
- 回線が海外向け通信に弱い
- 時間帯による混雑
解決法
- Wi-Fiは調べもの・軽い利用だけにする
- 動画視聴や仕事はモバイル回線に切り替える
問題④:急に接続が切れる・再接続できない
中国では、
- 昨日まで使えていたWi-Fiが今日は使えない
- 同じホテルなのに部屋を移動したら繋がらない
といったことが普通に起こります。
なぜ起こる?
- 規制強化
- ネットワーク設定の変更
- 一時的な遮断
解決法
- 通信手段を1つに依存しない
- VPNも1社だけに頼らない
問題⑤:公共Wi-Fiの安全性が低い
フリーWi-Fiでは、
- 通信内容を盗み見られる
- パスワードが抜かれる
といったリスクがあります。特に、中国では監視やログ管理の意識が日本と大きく異なります。
危険な行為
- ネットバンキング
- 仕事用メール
- 各種ログイン操作
解決法
- 公共Wi-Fi利用時は必ずVPNをON
- 重要な操作はモバイル回線で行う
問題⑥:VPN自体が繋がらないことがある
中国では、VPNも常に安定して使えるとは限りません。
- 特定のVPNが急に繋がらなくなる
- アップデート後に使えなくなる
ということもあります。
なぜ起こる?
- VPN対策が頻繁に更新される
- アプリの設定変更が必要になる場合がある
解決法
- 中国対応と明記されたVPNを選ぶ
- 代替VPNや別の通信手段を用意しておく
問題⑦:仕事・連絡・地図が使えず行動が止まる
Wi-Fiが使えないと、
- 目的地が分からない
- 連絡が取れない
- 予約確認ができない
など、行動そのものが止まります。
解決法
- 渡航前に地図や情報をオフライン保存
- 最低限の通信環境を常に確保
まとめ
中国のWi-Fiは、
**「繋がるか」より「使えるか」**が重要です。
事前準備(VPN・回線確保)をしているかどうかで、
現地での快適さと安心感は大きく変わります。
長期滞在者向け:中国の自宅Wi-Fi・オフィス回線事情

中国の固定回線は高速で快適です。主要なプロバイダが3つあり、地域によって速いものが違います。現地の人に情報を聞きながら、下の3つのうちから選ぶのがおすすめ。
もっと安いものもありますが、ここをケチるとネットが遅くて使えないことがあります。
また住んでいる小区みんなで一緒のネットを使う「小区宽带」もあったりします。とても安いのですが、遅いことが多いのでおすすめしません。
主要プロバイダ
- 中国移動(China Mobile)
- 中国聯通(China Unicom)
- 中国電信(China Telecom)
早くて快適ですが、規制されているサービスやSNSはVPNなしでは使えない点は公共Wi-Fiと同じです。
出発前に必ずやること(チェックリスト)

- 使えるVPNを事前に入れておく
- eSIMを日本で購入
- Google翻訳をオフラインDL
- 百度・高徳マップの準備
- モバイルバッテリーの用意
現地で困らないための“最低限セット”です。
まとめ:中国のWi-Fiは便利だが「Wi-Fiだけ」は危険

中国のWi-Fi環境は、日本や他の海外と同じ感覚で考えると、ほぼ確実に戸惑います。Wi-Fi自体は、ホテル・空港・カフェなど多くの場所に用意されていますが、「つながる=使える」わけではありません。
実際には、
- Wi-Fiに接続できても、GoogleやLINE、SNSが使えない
- フリーWi-Fiは認証が複雑で、不安定。
- 現地の電話番号が必要なことが多い。
- 公共Wi-Fiは安全面の不安が大きい
- 昨日まで使えた方法が、急に使えなくなることもある
といった問題が、日常的に起こります。
こうした状況を踏まえると、中国ではWi-Fiはあくまで補助的な存在と考えるのが現実的です。
大切なのは、
- 中国対応のVPNを渡航前に準備しておく
- SIMやeSIMなど、自分専用の通信手段を確保しておく
- 「Wi-Fiがあれば何とかなる」という思い込みを捨てる
この3点です。
逆に言えば、事前にきちんと準備さえしておけば、中国滞在中でも日本とほぼ同じ感覚で、調べ物・連絡・仕事ができるようになります。
中国のネット対策で一番の失敗は「現地で何とかしよう」と考えること。出発前の準備が、そのまま現地での安心感につながります。
これから中国へ行く方は、「Wi-Fiがあるか」ではなく、「使える環境を自分で用意しているか」を基準に準備を進めてみてください。
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