
VPNに接続するとWi-Fiが切れる原因には、ネットワークの設定、VPNの仕組み、デバイスの設定、VPNサービス自体の問題など、さまざまな要因が考えられます。以下に、それぞれの原因と対処方法を詳しく説明します。
VPNを繋げると Wi-Fiが切れる原因

Wi-Fiが切れる一般的な原因から紹介します。
1. Wi-Fiネットワークの制限
2. VPNサーバーの負荷や不具合
3. ルーターの設定がVPNを許可していない
4. スマホやPCの設定が影響している
5. VPNアプリの不具合や設定ミス
です。一つずつ解説していきます。
1. Wi-Fiネットワークの制限
公共のWi-Fiや職場、学校のWi-Fiでは、VPNの使用が制限されていることがあります。ネットワーク管理者がVPN接続をブロックする設定をしている場合、VPNに接続すると通信が途切れたり、Wi-Fiから切断されることがあります。特に企業や大学のWi-Fiでは、セキュリティのために特定のVPNプロトコル(例えば、OpenVPNやL2TP/IPsec)が禁止されていることが多いです。
対処方法:
- 他のWi-Fi(自宅のWi-Fiなど)でVPNが使えるか試す
- モバイルデータ通信(4G/5G)でVPNを試す
- 別のVPNプロトコル(WireGuard、IKEv2など)を試す
2. VPNサーバーの負荷や不具合
VPNは、インターネットとデバイスの間にVPNサーバーを挟む仕組みです。もしVPNサーバーに負荷がかかりすぎていると、通信が不安定になり、Wi-Fiが切れたように感じることがあります。特に無料VPNや混雑しているサーバーでは、接続が頻繁に途切れることがあります。
対処方法:
- VPNアプリ内で別のサーバー(地域や国)を選んで試す
- 有料のVPNを使う(無料VPNは接続が不安定なことが多い)
- VPNをオフにしてWi-Fiの接続が安定するか確認する
3. ルーターの設定がVPNを許可していない
家庭のWi-Fiルーターによっては、VPNの通信をブロックする設定になっている場合があります。また、ルーター自体が古く、VPN通信を適切に処理できないこともあります。特にL2TP/IPsecやPPTPなどのVPNプロトコルは、一部のルーターでは正常に動作しません。
対処方法:
- ルーターの設定画面でVPN通信を許可する設定を探す(「VPNパススルー」などのオプションがある場合はオンにする)
- ルーターのファームウェア(ソフトウェア)を最新にアップデートする
- 別のVPNプロトコル(WireGuard、OpenVPNなど)を試す
4. スマホやPCの設定が影響している
スマホやPCの設定によっては、VPNが正常に動作せず、Wi-Fi接続が切れてしまうことがあります。特に以下のような設定が影響することが多いです。
Wi-Fiアシスト(iPhone)/ スマートネットワーク切り替え(Android)
Wi-Fiの接続が遅いときに、自動でモバイルデータ通信(4G/5G)に切り替える機能です。VPN接続中にこの機能が作動すると、Wi-Fiが切れたように見えることがあります。
対処方法:
- iPhoneの場合:「設定」→「モバイル通信」→「Wi-Fiアシスト」をオフにする
- Androidの場合:「設定」→「Wi-Fi」→「Wi-Fi詳細設定」→「スマートネットワーク切り替え」をオフにする
省電力モードやデータセーバー
省電力モードがオンになっていると、VPNアプリのバックグラウンド通信が制限され、接続が切れることがあります。
対処方法:
- スマホの「省電力モード」をオフにする
- VPNアプリを「常に許可」する設定に変更する(Androidの場合、「バッテリー最適化を無効にする」オプションをオンにする)
DNS設定の競合
VPNを使うと、通常のWi-Fiネットワークとは異なるDNSサーバーが使用されることがあります。しかし、元々のWi-FiネットワークのDNS設定と競合すると、インターネット接続が不安定になることがあります。
対処方法:
- VPNを切断して、Wi-FiのDNS設定を「自動」に戻す(「設定」→「Wi-Fi」→接続しているWi-Fiをタップ→「DNSを構成」→「自動」)
- 別のDNS(Googleの「8.8.8.8」やCloudflareの「1.1.1.1」)を設定して試す
5. VPNアプリの不具合や設定ミス
VPNアプリ自体にバグがある場合や、設定が適切でない場合、Wi-Fiが切れることがあります。特に、以下の設定が影響することがあります。
自動切断(キルスイッチ)
一部のVPNには「キルスイッチ」という機能があり、VPN接続が不安定になったときにインターネット接続を完全に切断する設定になっていることがあります。これが有効になっていると、VPN接続が一瞬でも切れるとWi-Fiも切れるように感じることがあります。
対処方法:
- VPNアプリの設定で「キルスイッチ」がオンになっていないか確認し、オフにする
VPNプロトコルの変更
VPNにはさまざまな通信方式(プロトコル)があり、環境によっては特定のプロトコルが正常に動作しないことがあります。例えば、L2TPやPPTPは古い方式で、一部のWi-Fi環境では接続が不安定になることがあります。
対処方法:
- VPNアプリの「プロトコル設定」から別の方式(OpenVPN、WireGuard、IKEv2など)を選んで試す
まとめ
VPNに接続するとWi-Fiが切れるのは、ネットワークの制限、VPNのサーバー負荷、ルーターの設定、スマホやPCの設定、VPNアプリの不具合など、さまざまな原因が考えられます。まずは、他のWi-FiやモバイルデータでVPNが使えるか確認し、VPNの設定やスマホの設定を見直してみると改善することが多いです。それでも解決しない場合は、VPNのプロトコルを変更したり、別のVPNサービスを試してみるとよいでしょう。
Windowsのアップデート時に起こるトラブル

最近のWindowsバージョンでVPN接続が頻繁に切れる場合、Windowsの設定やアップデート、ネットワークの仕様変更などが影響している可能性があります。特に、Windows 10やWindows 11の最新アップデート後にVPNが不安定になるという報告が増えています。
考えられる原因は次の5つです。
1. Windowsのアップデートが原因でVPNが不安定になる
2. VPNプロトコルの設定が原因
3. WindowsのファイアウォールやセキュリティソフトがVPNをブロック
4. ネットワークアダプターの設定が影響している
5. VPNアプリのバージョンが古い、または不具合がある
一つずつ解説していきます。
1. Windowsのアップデートが原因でVPNが不安定になる
Windowsの最新アップデートでは、セキュリティ強化やネットワーク機能の変更が行われることがあります。しかし、一部のアップデートがVPN接続に悪影響を与えることがあります。特に、2023年以降のWindows 10/11のアップデートでは、一部のVPNプロトコル(L2TP/IPsecやIKEv2)が正常に動作しなくなるケースが報告されています。
対処方法
- Windowsのアップデートを確認する
「設定」→「Windows Update」から、最新の修正パッチが配信されているか確認し、適用する。 - 特定のアップデートをアンインストールする
過去に「Windows Update後にVPNが切れやすくなった」という事例では、以下の方法で特定のアップデートを削除することで解決したケースがあります。- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新の履歴を表示」
- 「更新プログラムをアンインストール」
- 直近のアップデート(特にネットワーク関連)を選択し、削除する
- PCを再起動し、VPN接続を試す
2. VPNプロトコルの設定が原因
WindowsのVPN機能は、複数のプロトコル(通信方式)に対応しています。しかし、最近のWindowsアップデートでは、古いプロトコル(PPTPやL2TP/IPsec)がブロックされたり、動作が不安定になったりすることがあります。特に、L2TP/IPsecのVPNが接続後すぐに切れるという問題が多く報告されています。
対処方法
- VPNのプロトコルを変更する
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」
- 使用中のVPNを選択し、「詳細オプション」または「プロパティ」を開く
- 「VPNの種類」を変更(L2TP/IPsec → IKEv2 または OpenVPN)
- 設定を保存し、再接続を試す
3. WindowsのファイアウォールやセキュリティソフトがVPNをブロック
Windows Defenderや他のセキュリティソフトが、VPN接続を不正な通信とみなしてブロックすることがあります。特に、最近のWindows Defenderの更新で、VPNの一部の通信が制限されるケースが報告されています。
対処方法
- Windows Defenderの設定を確認する
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」→「ファイアウォールとネットワーク保護」
- 「アプリがファイアウォールを通過できるようにする」をクリック
- VPN関連のアプリ(NordVPN、ExpressVPNなど)がブロックされていないか確認
- 必要なら「許可」または「例外リスト」に追加
- セキュリティソフトの設定を変更する
Norton、McAfee、Bitdefenderなどのウイルス対策ソフトを使用している場合、VPNの通信が遮断されている可能性があるため、一時的に無効化してVPNが正常に動作するか試す。
4. ネットワークアダプターの設定が影響している
Windowsのネットワークアダプターの設定によっては、VPNがうまく接続できず、頻繁に切れることがあります。特に、IPv6の設定やネットワークアダプターの省電力設定が影響することがあります。
対処方法
- IPv6を無効化する
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更する」
- VPNで使用しているネットワークアダプターを右クリックし、「プロパティ」を選択
- 「インターネット プロトコル バージョン6(TCP/IPv6)」のチェックを外す
- OKを押して、PCを再起動し、VPNを再接続
- 省電力モードを無効化する
- 「デバイスマネージャー」を開く
- 「ネットワークアダプター」からVPNに関連するアダプター(例: Wi-Fiアダプターや仮想アダプター)を選択
- 「プロパティ」を開き、「電源の管理」タブへ移動
- 「電力を節約するために、このデバイスの電源をオフにする」のチェックを外す
- 設定を保存し、VPNを再接続
5. VPNアプリのバージョンが古い、または不具合がある
Windowsのアップデート後、VPNアプリとの相性が悪くなり、接続が不安定になることがあります。特に、古いバージョンのVPNアプリを使用している場合、不具合が発生しやすいです。
対処方法
- VPNアプリを最新バージョンにアップデートする
NordVPN、ExpressVPN、CyberGhostなどの公式サイトから最新のバージョンをダウンロードし、インストールする - 別のVPNプロバイダーを試す
もし特定のVPNサービスで問題が解決しない場合、他のVPN(ProtonVPN、Windscribeなど)を試してみる
Windowsアップデートにおける不具合と対処法・まとめ
最近のWindowsアップデート後にVPN接続が頻繁に切れるのは、主に「Windowsの更新による不具合」「VPNプロトコルの設定」「ファイアウォールやセキュリティソフトの干渉」「ネットワークアダプターの設定」などが原因となることが多いです。まずは、Windowsのアップデートを確認し、VPNのプロトコルを変更したり、ファイアウォールの設定を見直してみるとよいでしょう。それでも解決しない場合は、VPNアプリを最新にアップデートしたり、別のVPNを試すことで問題が解決する可能性があります。