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VPNまとめ

VPN装置とは?企業ネットワークに欠かせない仕組みと選び方を徹底解説

企業でのリモートワークや拠点間通信が一般化する中、「VPN装置(VPNルーター・VPNゲートウェイ)」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

でも実際には、「普通のVPNと何が違うの?」「どうやって選べばいいの?」という疑問を持つ方も多いはずです。

この記事では、VPN装置の仕組み・種類・導入のメリット・選び方・おすすめ製品まで、初心者にもわかりやすく、かつ技術担当者にも役立つように徹底的に解説します。

VPN装置とは?

VPN装置の基本定義

VPN装置とは、企業や団体が安全にインターネット経由で通信を行うための専用ハードウェアです。
仮想専用線(Virtual Private Network)を確立し、外部からの不正アクセスを防ぎつつ、安全な通信を可能にします。

  • 社内とリモートワーカーの接続
  • 拠点間通信(東京本社と大阪支社など)
  • サーバーへの安全なアクセス

といった場面で使われています。

VPNサービスとVPN装置の違い

VPNという言葉自体は知っていても、「VPNサービス(ソフト型)」と「VPN装置(ハード型)」の違いは?」と聞かれると、うまく説明できない方も多いはずです。

この2つは、同じ「VPN」という名前がついていても、役割・仕組み・使い方がまったく異なります。以下でくわしく見ていきましょう。

1. 提供形態の違い:クラウド型 vs ハードウェア型

項目VPNサービス(ソフト型)VPN装置(ハード型)
形態クラウド経由のサービス物理的な専用機器
管理プロバイダーにおまかせ自社で設定・管理が必要
初期設定アプリを入れるだけでOKルーターの設定が必要
主な提供会社NordVPN、SurfsharkなどYAMAHA、Cisco、Fortinetなど

2. 主な用途と対象ユーザー

VPNサービス(ソフト型)は、個人ユーザー向けです。

たとえば、海外から日本の動画サービスを見たい人や、公共Wi-Fiでセキュリティを高めたい人が利用します。セットアップは数分で完了し、スマホやPCから簡単に使えます。

VPN装置(ハード型)は、企業や組織向けです。

複数拠点を安全に結びたい、社員のリモートワークを保護したい、社内サーバーへ安全にアクセスさせたい――そんな要件に応える設計です。社内LANとの統合や、ユーザー単位での制御、アクセスログの保存など、業務レベルの管理が可能です。

3. セキュリティと制御性の違い

項目VPNサービス(ソフト型)VPN装置(ハード型)
暗号化強度一定レベルで強いが、個別設定は不可自社ポリシーに応じて柔軟に設定可能
アクセス制御ほぼ不可IP制限・ユーザー認証・ログ監視が可能
セキュリティ管理サービス側に依存自社内で完全にコントロール可能

セキュリティに関して言えば、VPN装置のほうがはるかに柔軟で強力です。

4. コストの違い

項目VPNサービスVPN装置
月額費用数百~数千円/人基本は一括購入+保守費用
初期コストほぼゼロ機器購入(5万~50万円程度)
長期的コスト人数に応じて増える一度の投資で複数人利用可

たとえば社員50人の会社がVPNサービスを1人あたり月1,000円で使うと、月5万円・年60万円のコストになります。VPN装置であれば、初期導入は10~30万円前後でも、運用次第では数年単位で大きくコストダウンできます。


まとめ:ソフトかハードか、自社の「規模」と「目的」で選ぼう

VPNサービスは、個人や小規模チームに最適な「簡単・低コスト」な選択肢。一方でVPN装置は、中規模以上の企業や高セキュリティが求められる組織にとって、より適した選択肢です。

どちらを選ぶかは、

  • 人数規模
  • 管理の自由度
  • セキュリティ要件
  • 長期的な運用コスト

といった視点で判断するのがポイントです。


VPN装置の仕組み

VPN装置は、以下の技術を駆使して通信を保護します。

  • トンネリング(Tunneling):インターネットを通じて、専用の通路を確保
  • 暗号化(Encryption):データを暗号化して盗聴・改ざんを防止
  • 認証(Authentication):接続する端末の正当性を確認

主なプロトコル:

  • IPSec(最も一般的)
  • SSL-VPN(Web経由の接続に対応)
  • L2TP, PPTP(古いが一部で使用)

VPN装置の主な用途と導入メリット

主な用途

  • 拠点間VPN:本社と支社を安全に接続
  • リモートアクセスVPN:自宅や外出先から社内システムへ接続
  • クラウド接続:AWS・Azureなどのクラウドと社内LANの橋渡し

導入メリット

  • 高いセキュリティ:ファイアウォール・暗号化・認証技術で通信を守る
  • 安定した接続:ハードウェアベースでトラフィックを制御
  • 運用の一元管理:ログ監視・ユーザー管理が可能
  • 法令遵守:個人情報保護法やISMSなどの対策にも対応

VPN装置の種類と選び方|失敗しないためのポイントを徹底解説

VPN装置は一言でいっても、メーカーや機能、性能、価格帯までさまざまです。ここでは自社に最適なVPN装置を選べるように、種類ごとの特徴と選び方のコツを詳しく解説します。

1. VPN装置の主な種類

VPN装置は、使い方や導入規模に応じて以下のように分類できます。

■ リモートアクセスVPN装置(クライアント接続用)

  • 用途:社員が外出先や自宅から社内ネットワークに安全に接続するため
  • 特徴:社内サーバー・NASなどへアクセス可能、ユーザー単位の接続制御ができる
  • 導入例:テレワーク、在宅勤務、モバイルワークに対応したい企業
  • 代表機種
    • YAMAHA RTX1220
    • Cisco RV160
    • Fortinet FortiGateシリーズ(小規模向け)

■ 拠点間VPN装置(ルーター間接続用)

  • 用途:本社と支社など、離れた拠点同士のネットワークを安全に結ぶ
  • 特徴:ルーター同士が常時接続され、あたかも1つのLANのように通信可能
  • 導入例:本社-支店間のファイル共有や社内システムの統一
  • 代表機種
    • YAMAHA RTX3500(大規模向け)
    • FortiGate 60F
    • NEC UNIVERGE IXシリーズ

■ UTM統合型VPN装置(セキュリティ機能付き)

  • 用途:VPN機能に加えて、ウイルス対策・ファイアウォール・フィルタリングを1台に統合
  • 特徴:セキュリティ強化に特化。運用管理も一元化しやすい
  • 導入例:中小企業や情報漏洩リスクを特に警戒する業種(医療・法律事務所など)
  • 代表機種
    • FortiGateシリーズ
    • Sophos XGSシリーズ
    • WatchGuard Fireboxシリーズ

2. VPN装置の選び方【5つのチェックポイント】

① 利用人数・同時接続数を確認

② 通信速度・VPNスループットを確認

③ 暗号化方式とセキュリティ機能をチェック

④ 管理画面の使いやすさ・日本語対応の有無

⑤ 保守サポート体制とメーカー信頼性を確認

この5つのポイントをチェックしてください。説明していきます。

✅ ① 利用人数・同時接続数を確認

VPN装置ごとに「同時に何人まで接続できるか」の上限があります。たとえば:

機種名同時接続数の目安
RTX1220最大50人程度
FortiGate 60F最大100人以上
RTX3500数百人規模

必要以上に高性能な装置を買うとコストが無駄になり、逆にスペック不足だと接続が不安定になります。

✅ ② 通信速度・スループットを確認

VPN接続時のスループット(実効速度)は非常に重要です。回線が高速でも、装置の処理能力が低いとボトルネックになり、通信が遅くなる原因になります。

たとえば:

機種名VPNスループット(目安)
RTX1220約1Gbps
FortiGate 60F約5Gbps
高性能UTM10Gbps以上も可

✅ ③ 暗号化方式・セキュリティ機能

  • 最新の装置は IPSec/IKEv2 などの堅牢な暗号方式に対応
  • UTM搭載機ならウイルススキャン・Webフィルタ・IPS/IDS機能付きも

政府・大手企業レベルの情報保護が求められる場合はUTM一択です。

✅ ④ 管理画面の使いやすさ・日本語対応

管理者が設定・運用をする際、UIのわかりやすさや日本語マニュアルの有無は大きな差になります。

  • 初心者向け:YAMAHA(日本語対応・設定支援ツールあり)
  • 中上級者向け:Fortinet、Cisco(英語中心・CLI操作多め)

✅ ⑤ メーカーのサポート体制・保守契約

法人で使うなら、長期間の保守契約・サポート対応がしっかりしているメーカーを選ぶのが鉄則です。ファームウェア更新やセキュリティパッチの配布が止まると、装置が脆弱性を抱えたままになるリスクもあります。


3. 用途別のおすすめVPN装置

おすすめの

用途おすすめ装置理由
小規模オフィス(~10人)YAMAHA RTX1220初心者でも設定しやすく、日本語対応。コスパ◎
拠点間接続ありの中小企業FortiGate 60Fセキュリティ機能も強力で長く使える
情報漏洩が致命的な業種Sophos UTMウイルス・Web監視・ファイアウォール一体型

VPN装置選びで失敗しないためには、単にスペックが高いものを選ぶのではなく、「何のために・何人で・どこから使うのか」を明確にすることが大切です。

  • 少人数ならYAMAHAのような国内メーカーのエントリーモデル
  • 中規模以上や高セキュリティ要件があるならFortinetやSophos

という具合に、自社のニーズに最適な装置を選びましょう。


実際の導入例とトラブル対策

中小企業での成功事例

ある東京都内のIT企業では、YAMAHA RTX830を導入し、在宅勤務者50名のリモートVPN接続を実現
通信ログ管理やアクセス制御も可能となり、情報漏洩リスクの大幅低下に成功しました。

よくあるトラブルと対応策

トラブル原因対策
接続できないポートが開いていないファイアウォール設定を見直す
通信が不安定帯域不足 or MTUミスマッチQoSやMTU設定を調整
セキュリティアラートが出る認証ミス or 外部攻撃ログ確認とアクセス制御強化

VPN装置の導入・設定の流れ|初めてでもわかる完全ガイド

VPN装置の導入といっても、専門的で難しそうに感じる方も多いでしょう。しかし実際は、手順をしっかり押さえればそこまで難しくありません

ここでは、中小企業がVPN装置を導入して使い始めるまでの流れを、ステップ形式でわかりやすく解説します。

ステップ1:目的を明確にする

導入の前に、まず「なぜVPN装置が必要なのか?」を明確にしましょう。

  • 在宅勤務・リモートワークのため?
  • 本社と支店間の安全な接続のため?
  • 社内サーバーに外部からアクセスさせたい?

目的に応じて、必要な機能や選ぶべき装置のタイプが変わります。


ステップ2:装置の選定・購入

上記の目的をもとに、以下の条件をチェックしながら装置を選びます。

  • 同時接続人数
  • 通信速度(スループット)
  • 暗号化方式(IPSec, IKEv2 など)
  • 管理のしやすさ(日本語対応か、GUIかCLIか)
  • 保守サポート体制の有無

💡例:中小企業でテレワーク導入なら「YAMAHA RTX1220」などが人気です。

装置は、公式代理店や信頼できる法人向けECサイトでの購入がおすすめです(サポートやファームウェア提供に差が出るため)。


ステップ3:設置・物理接続

装置が届いたら、以下のように設置します。

  • インターネット回線(モデムやONU)とVPN装置をLANケーブルで接続
  • VPN装置と社内ルーターを接続(もしくはルーター機能付きVPN装置を使う場合は、LAN全体に接続)

📌ルーターと併用する場合、IPアドレスの競合二重ルーターにならないよう注意が必要です。


ステップ4:VPN接続設定(装置側)

VPN装置の管理画面(GUIまたはCLI)から、以下の設定を行います。

  • WAN側(インターネット側)IPアドレスの設定
  • LAN側(社内ネットワーク側)のIPアドレス範囲設定
  • VPNサーバー機能の有効化(IPSec、L2TP/IPSec、SSLなど)
  • 接続ユーザーのID・パスワードの設定
  • セキュリティポリシー(ポート制限、ファイアウォール)の設定

💡YAMAHA製品などは、設定支援ツール(Web GUI)で自動生成できるので初心者にもやさしいです。


ステップ5:クライアント(接続元)側の設定

外部からVPNに接続する端末(PCやスマホ)には、以下のような設定をします。

  • VPNクライアントアプリのインストール(Windows標準・macOS標準・L2TPアプリなど)
  • 接続先アドレス(固定IPやDDNSで指定)
  • ID・パスワードの入力
  • 暗号化方式や認証情報の入力(事前共有キーなど)

社用PCを配布している場合は、初期設定してから渡すとトラブル防止に効果的です。


ステップ6:接続テストと運用開始

接続できるかを社外から実際に試し、以下をチェックします。

  • 安定して通信できるか(接続後に社内ファイルへアクセスできるか)
  • 通信速度が十分か(VPN越しで業務アプリが重くないか)
  • セキュリティ設定に問題がないか(ログ取得、接続制限)

あわせて、社員にVPNの接続手順マニュアルを配布するとサポート工数が削減できます。


ステップ7:定期メンテナンス・アップデート

VPN装置は導入して終わりではありません。

  • 定期的にファームウェアの更新(セキュリティパッチ含む)
  • ログの確認(不審なアクセスがないか)
  • 接続アカウントの管理(退職者のアクセス削除など)

特に法人向けでは、「セキュリティ監査」に備えたログ保存とポリシー管理が重要になります。


補足:設定が不安なら「VPN装置+初期設定込み」のパックもアリ

「VPN装置は必要だけど、設定やトラブル対応に自信がない…」という企業向けに、以下のようなサービスもあります。

  • IT企業によるVPN導入支援(リモート設定可)
  • YAMAHA製品を販売する業者による「設定済みVPNルーター」販売
  • 月額保守付きの装置レンタルサービス

設定から運用まで任せられるため、専任IT担当がいない中小企業にもおすすめです。


よくある質問(FAQ)

Q1. VPN装置とUTMの違いは?
A. UTMはVPN機能に加えて、アンチウイルス・IPSなど多機能を統合した機器です。セキュリティを重視するならUTMも検討しましょう。

Q2. 個人でVPN装置を使う意味は?
A. 基本的には企業向けですが、SOHO(1人会社)で高度なセキュリティを確保したい場合には有効です。

Q3. VPN装置の設定は難しい?
A. 基本的な知識は必要ですが、GUIで直感的に設定できる製品も増えています。外部委託する選択肢もあります。


まとめ:自社に最適なVPN装置を選ぶことがセキュリティ強化の第一歩

VPN装置は、単なる通信機器ではありません。企業の情報資産を守る“守護神”のような存在です。
VPNサービスとの違いを理解し、自社に合った機種を選定・設定することで、リモートワークや支社連携も安全かつ快適に実現できます。

VPNサービスのような手軽さはありませんが、その分、高いセキュリティ性能・安定性・拡張性を備えており、企業の成長とともに長く使える投資価値の高い装置といえます。

本記事では以下のポイントを押さえてきました:

  • VPN装置とは何か、その仕組み
  • VPNサービスとの違いと用途の違い
  • 選び方の具体的なポイントと製品比較
  • 実際の導入事例とトラブル対策
  • 設定や運用の流れ

自社の規模・利用目的・ITリテラシーに合わせて最適な機種を選べば、情報漏洩や不正アクセスといったリスクから企業をしっかり守ることができます。

初めて導入を検討する方は、国産でサポートが充実しているYAMAHAのRTXシリーズや、セキュリティ性能に定評のあるFortinet製品から検討してみるのも良いでしょう。

VPN装置は「一度導入すれば終わり」ではなく、定期的なアップデートと監視が必要です。導入後の運用設計も含め、今後のITインフラ強化の第一歩として、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

おすすめのVPN装置3選

用途おすすめ装置理由
小規模オフィス(~10人)YAMAHA RTX1220初心者でも設定しやすく、日本語対応。コスパ◎
拠点間接続ありの中小企業FortiGate 60Fセキュリティ機能も強力で長く使える
情報漏洩が致命的な業種Sophos UTMウイルス・Web監視・ファイアウォール一体型

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