
NordVPNは世界的に人気のあるVPNサービスで、セキュリティの高さや使いやすさで評価されています。しかし、「VPNを使っているから100%安全」というわけではなく、いくつかのリスクや注意点も存在します。
この記事では、NordVPNの危険性や安全に使う方法について詳しく解説していきます。
目次
Nord VPNの危険性

NordVPNで考えられる危険性は以下の7つです。
詳しく説明します。
NordVPNの危険性1:ハッキングの危険

NordVPNは「安全性が高いVPN」として知られていますが、2018年にフィンランドのデータセンターでサーバーがハッキングされる事件がありました。
このとき、ハッカーはNordVPNの暗号鍵を一時的に取得し、理論的には一部の通信を盗み見ることが可能だったと考えられています。NordVPN側はすぐにこの問題を認識し、該当のサーバーを削除し、対策を行ったと発表しました。また、ユーザーの個人情報やログは記録されていないため、被害は限定的だったとも説明されています。
しかし、一度でもVPNサービスのサーバーが侵害されたという事実は、「VPNだから絶対に安全」というわけではないことを示しているとも言えるでしょう。
NordVPNの危険性2:「ノーログポリシー」は絶対ではない
NordVPNは「ノーログポリシー」を掲げており、ユーザーのオンライン活動を記録しないと公言しています。これは外部の監査機関によっても検証されており、一応の信頼性はあります。
でも、VPN業界では過去に「ノーログ」を主張していたにもかかわらず、実際には政府機関に情報を提供していたケースが存在します。NordVPNはパナマに拠点を置いているため、ログの保存義務はないとされていますが、将来的に法律が変わる可能性もあり、絶対に安全とは言い切れません。
また、技術的なミスで一時的にログが残るリスクもゼロではないため、「VPNを使えば完全に匿名になれる」と過信するのは危険です。
NordVPNの危険性3:一部の国では使えない、または制限がある
VPNはインターネットの検閲を回避する手段として使われることが多いですが、全ての国で自由に使えるわけではありません。
特に中国やロシア、アラブ首長国連邦(UAE)などではVPNに対する規制が厳しく、一部のサーバーは接続できないことがあります。例えば、中国では「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる強力な検閲システムがあり、NordVPNを使ってもアクセスできないことが多々あります。またUAEやサウジアラビアでは、VPNの利用が法律で禁止されている場合があり、違反すると罰則を受ける可能性があります。
海外旅行や出張の際にVPNを利用しようと考えている場合は、事前にその国の法律を確認しておくことが重要です。
NordVPNの危険性4:広告が誇張しすぎ

NordVPNの広告を見ると、「世界最速のVPN」「軍事レベルの暗号化」といったキャッチフレーズが使われています。しかし、実際には必ずしも広告通りの性能を発揮するわけではありません。
「世界最速」とされていますが、サーバーが混雑すると通信速度が遅くなることもあり、使用する環境によっては期待通りのパフォーマンスが得られないことがあります。また、「軍事レベルの暗号化」という表現も、実際には業界標準のAES-256暗号が使われているという意味で、特別に強固な技術が採用されているわけではありません。
このように、広告では魅力的に見えても、実際に使ってみるとギャップを感じることがあるため、過度な期待はしない方が良いでしょう。
NordVPNの危険性5:NetflixやDAZNなどでブロックされる可能性
VPNを利用する理由の一つに、海外のNetflixやAmazon Prime Videoを視聴することがあります。しかし、これらのストリーミングサービスはVPNの利用を厳しく取り締まっており、NordVPNのサーバーがブロックされることも少なくありません。
特にNetflixはVPN対策を強化しており、以前は視聴できていたサーバーでも突然アクセスできなくなることがあります。NordVPNはこの問題を回避するために専用のサーバーを提供していますが、100%確実に視聴できるわけではありません。
VPNを使って海外の動画コンテンツを楽しみたいと考えている場合は、ブロックされるリスクがあることを理解しておくべきです。
NordVPNの危険性6:「無料版NordVPN」に要注意

NordVPNには無料版は存在しません。しかし、インターネット上には「無料でNordVPNを使う方法」といった記事が数多くあります。これらの情報の多くは、実際には公式のものではなく、詐欺サイトへの誘導だったり、ウイルスが仕込まれた偽のVPNソフトだったりする可能性があります。
無料でNordVPNを使いたいと思って不正な方法を試そうとすると、逆に個人情報を盗まれたり、デバイスが感染したりする危険性があるため、必ず公式サイトからダウンロードするようにしましょう。
NordVPNの危険性7:クレジットカードでの支払いによるリスク
VPNを利用する目的の一つに「匿名性の確保」があります。しかし、NordVPNをクレジットカードやPayPalで支払うと、購入履歴が残るため、完全に匿名での利用は難しくなります。
より匿名性を高めたい場合は、ビットコインやその他の仮想通貨で支払う方法もありますが、それでも完璧に身元を隠せるわけではありません。VPNを使えば完全に身元が特定されないわけではないことを理解し、必要に応じて適切な支払い方法を選ぶことが大切です。
結論:NordVPNは便利だが、過信は禁物
最後にもう一度、危険性をまとめます。
NordVPNは総合的に見て、信頼性の高いVPNサービスの一つですが、決して「完璧」ではありません。過去にハッキングされた経験があり、ノーログポリシーも100%信用できるとは言い切れません。さらに、一部の国では使えなかったり、Netflixなどのストリーミングサービスにブロックされることもあります。
広告の誇張表現にも注意が必要で、思っていたほど速度が出ないこともあるでしょう。また、無料版をうたう詐欺サイトも多いため、NordVPNを使う場合は必ず公式サイトからダウンロードすることが重要です。
VPNを使っているから100%安全!ではない
「VPNを使っているから安心!」と思ってしまうのが危険なのは、VPNが守れる範囲には限界があるからです。VPNは「通信を暗号化する」「IPアドレスを隠す」ことはできますが、ウイルスや詐欺、ハッキングを防ぐことはできません。
具体例で説明します。
危険な思い込み「VPNを使っているから、ウイルスに感染しない!」
→ 実際は感染します!
VPNは通信を暗号化するだけなので、怪しいサイトからウイルスをダウンロードしたら普通に感染します。
対策 → ウイルス対策ソフトを使う、怪しいサイトは開かない
危険な思い込み:「VPNがあればフィッシング詐欺を防げる!」
→ 実際は防げません!
VPNを使っていても、偽の銀行サイトやAmazon詐欺サイトにログインしてしまえば、普通に情報を盗まれます。
対策 → 公式サイトのURLを確認する、2段階認証を設定する
危険な思い込み:「VPNを使えば、パスワードが盗まれない!」
→ 実際は盗まれる可能性アリ!
VPNは通信を暗号化しますが、同じパスワードを使い回していたら、別のサービスから漏れることがある(パスワード流出)。
対策 → 長くて複雑なパスワードを使う、パスワード管理アプリを使う
危険な思い込み:「VPNを使えば、すべてのサイトで匿名になれる!」
→ 実際は匿名ではありません!
VPNはIPアドレスを隠せますが、Googleアカウントにログインしていたら、普通に追跡されるし、サイトごとの**クッキー(Cookie)**でも身元がバレることがあります。
対策 → シークレットモードを使う、プライバシー重視のブラウザ(BraveやTor)を活用
まとめ:VPNだけでは防げないもの
VPNでは防げないものをまとめます。
VPNはあくまでもオンラインのセキュリティを強化するためのツールの一つであり、「これを使えば完全に匿名になれる」「絶対に安全」と思い込むのは危険です。利用する際は、そのメリットとリスクをよく理解し、適切に活用しましょう。
Nord VPNの安全対策方法

NordVPNをより安全に使うためには、いくつかの対策を講じることが大切です。ただVPNを使うだけでは完璧なセキュリティが確保されるわけではなく、設定や使い方次第でリスクを最小限に抑えることができます。
ここでは、安全にNordVPNを活用するための具体的な対策を紹介します。対策は以下の7つです。
一つずつ解説していきます。
安全対策1:「Kill Switch」を有効にする
VPN接続が突然切れると、自分の本来のIPアドレスが漏れてしまうリスクがあります。これを防ぐために、NordVPNには「Kill Switch(キルスイッチ)」という機能が搭載されています。Kill Switchを有効にすると、VPN接続が何らかの理由で途切れた場合、自動的にインターネット接続を遮断し、個人情報の漏洩を防いでくれます。
設定方法(Windows/Macの場合):
NordVPNアプリを開く→設定メニューを開く→「Kill Switch」オプションをオンにする
モバイル版のアプリにもKill Switch機能がありますが、一部のOSでは動作が制限されることもあるため、可能であればPCやルーターでの設定も検討しましょう。
安全対策2:「ノーログポリシー」を信用しすぎず、匿名性を高める

NordVPNは「ノーログポリシー」を掲げていますが、100%信用するのは危険です。万が一、ログが記録されていた場合でも、自分の情報が特定されにくくなるような工夫をしましょう。
匿名性を高める方法
・支払い方法を工夫する
NordVPNはクレジットカードやPayPalのほか、ビットコインなどの仮想通貨での支払いも可能です。匿名性を確保したい場合は、仮想通貨を使って支払うのがおすすめです。
・メールアドレスを使い分ける
NordVPNの登録にはメールアドレスが必要ですが、普段使っている個人用のアドレスではなく、VPN専用のメールアドレスを用意すると安全性が高まります。
・ブラウザの履歴を残さない
VPNを使っても、ブラウザの履歴やCookieが残っていると匿名性が損なわれる可能性があります。「プライベートブラウジング(シークレットモード)」を活用し、閲覧履歴を残さないようにしましょう。
安全対策3:「Obfuscated(難読化)サーバー」を利用する
特定の国(中国、ロシア、UAEなど)ではVPNの使用が制限されているため、通常のVPNサーバーでは接続できないことがあります。NordVPNには「Obfuscated(難読化)サーバー」という特殊なサーバーがあり、VPNトラフィックを通常のHTTPS通信のように見せることで、VPNブロックを回避できます。
設定方法:
・NordVPNアプリを開く
・設定メニューから「高度な設定」を開く
・「Obfuscated Servers(難読化サーバー)」を有効にする
・サーバー一覧から「Obfuscated」と記載されたものを選ぶ
これを利用すると、VPNの検出を回避しやすくなり、より安全に使うことができます。
安全対策4:「DNS漏れ対策」を設定する
VPNを使っていても、DNSリクエスト(サイトの名前をIPアドレスに変換する処理)がVPNを経由せずに通常のインターネットプロバイダを通じて処理されてしまうと、匿名性が損なわれます。これを防ぐために、NordVPNの「DNS漏れ保護機能」を有効にしましょう。
設定方法:
・NordVPNアプリを開く
・設定メニューを開く
・「DNS Leak Protection(DNS漏れ防止)」を有効にする
これで、自分のインターネットプロバイダがDNSリクエストを見ることができなくなり、匿名性が向上します。
安全対策5:信頼できるサーバーを選ぶ

NordVPNには世界中に5000以上のサーバーがありますが、どのサーバーを選ぶかによって安全性が異なることがあります。例えば、無料Wi-Fiのようにハッキングリスクの高い場所では、より強固なセキュリティが確保されたサーバーを選ぶのが理想的です。また、特定の国ではVPNの規制が厳しいため、安全なサーバーを選ぶことが重要です。
以下のポイントをチェックすると安心です。
① 負荷が高すぎるサーバーを避ける
サーバーの負荷が高いと、速度が遅くなったり、接続が不安定になったりします。NordVPNアプリ内で負荷が「80%以上」のサーバーは避けるのが無難です。
② Ping値が異常に高いサーバーを避ける
Ping値(応答速度)が200ms以上のサーバーは、接続が不安定な可能性があります。特に100ms以下のサーバーを選ぶのが理想的。
③ 無名の国や遠すぎるサーバーに注意
NordVPNは安全なサーバーを提供していますが、地理的に遠いサーバー(例:南極のような極端な地域)を使うと、接続が遅くなりやすいです。インターネット検閲の厳しい国(例:中国、ロシア、イラン)のサーバーを使う場合は、接続が監視されるリスクを考える必要があります。
④ Obfuscated(難読化)サーバーが必要なのに通常サーバーを使っていないか
VPNブロックが厳しい国(中国、UAEなど)で使う場合は、「Obfuscated(難読化)」サーバーを選ばないと、検出されて接続が遮断される可能性があります。NordVPNアプリの「設定」→「難読化サーバーを有効化」をオンにすることで対応可能です。
このように、NordVPNアプリでは、利用目的に応じたサーバーが選択できるため、自分の用途に合ったものを選びましょう。
安全対策6:「二段階認証(2FA)」を設定する
NordVPNのアカウントが第三者に乗っ取られると、VPNのセキュリティも意味をなさなくなります。特に、パスワードが流出した場合は危険なので、二段階認証(2FA)の設定がおすすめです。
設定方法:
・NordVPNの公式サイトにログインする
・「アカウント設定」メニューを開く
・「二段階認証」を有効にする
・Google Authenticatorなどの認証アプリを使って設定する
二段階認証を有効にすると、パスワードが流出してもログインされにくくなるため、安全性が向上します。
安全対策7:怪しい「無料VPN」や偽のNordVPNに注意する
NordVPNには公式の無料版はありません。しかし、インターネット上には「NordVPNを無料で使う方法」といった詐欺サイトが多く存在します。これらのサイトで提供される偽のアプリをダウンロードすると、ウイルス感染や個人情報の盗難につながる可能性があります。
安全にNordVPNをインストールするポイント
・必ず公式サイト(https://nordvpn.com/)からダウンロードする
・「無料版」をうたうサイトは信用しない
・不審なアプリをインストールしない
これらの点に注意し、公式の正規版を利用することが重要です。
NordVPNを安全に使うための対策・まとめ
最後に安全対策をもう一度まとめます。
NordVPNは優れたVPNサービスですが、使い方次第で安全性が大きく変わります。特に、「Kill Switch」や「DNS漏れ対策」などの設定を適切に行うことで、リスクを大幅に減らすことができます。また、支払い方法を工夫したり、二段階認証を設定したりすることで、さらにセキュリティを強化することが可能です。
VPNは便利なツールですが、「これさえ使えば絶対に安全」というものではありません。適切な設定と使い方を心がけることで、安全にインターネットを利用できるようになります。
Nord VPNは他のVPNと比べて安全性は高い?
結論から言うと、NordVPNの安全性は「トップクラス」です!理由は「ノーログポリシー」「強力な暗号化」「セキュリティ監査」の3つがしっかりしているからです。
ノーログポリシー
VPNを使う上で最も重要なのは、利用者のデータが記録されず、第三者に渡らないことですが、NordVPNは「ログを一切保存しない」と公式に宣言しているだけでなく、そのポリシーが本当に守られているかどうかを定期的に外部の監査機関にチェックしてもらっています。
実際に、2020年、2022年、2023年と複数回にわたって大手監査機関のDeloitteなどが監査を行い、NordVPNがユーザーのデータを記録していないことを証明しました。このように、ただ「ノーログ」と言うだけでなく、実際に監査を受けて透明性を確保している点は、他の多くのVPNと比較しても大きな強みです。
強力な暗号化
また、セキュリティの面でもNordVPNは非常に優れています。通信データを守るために、AES-256ビットという非常に強力な暗号化を採用しており、これは銀行や政府機関が使っているレベルのものです。
さらに、NordVPNには「Double VPN」という機能があり、一度暗号化したデータをもう一度別のサーバーを通して暗号化することで、より安全に通信を行うことができます。例えば、ジャーナリストや活動家など、特にプライバシーが重要な人にとっては、この二重暗号化は非常に役立つ機能です。
セキュリティ監査
さらに、NordVPNは過去に発生したセキュリティ問題にも迅速に対応しています。
2018年に、あるデータセンターの一部サーバーが不正アクセスを受けたことがありましたが、この際もユーザーのデータが流出することはありませんでした。この事件を受けて、NordVPNはすぐにすべてのサーバーを「RAMのみで動作するディスクレスサーバー」に切り替え、万が一不正アクセスされた場合でもデータが残らないようにしました。
こうした対応の速さや、さらなるセキュリティ強化の姿勢も、NordVPNの安全性の高さを裏付けています。
NordVPNのセキュリティ
他のVPNと比べても、NordVPNのセキュリティ対策は業界トップクラスです。
例えば、ExpressVPNやProtonVPNも同じくノーログポリシーを掲げており、監査を受けている点では同じですが、NordVPNの方が「Threat Protection」や「Double VPN」など、追加のセキュリティ機能が充実しているのが特徴です。
一方、Surfsharkのような安価なVPNも監査を受けていますが、NordVPNほどのセキュリティ強化策は取られていません。そのため、プライバシーをしっかり守りながら安全にVPNを使いたい人にとっては、NordVPNはおすすめできます。
他の人気VPNと比較(安全性の面)
VPN名 | ノーログポリシー | 暗号化 | 監査の有無 | 特別なセキュリティ機能 |
---|---|---|---|---|
NordVPN | ✅(監査済み) | AES-256 | ✅(Deloitte監査) | Double VPN, Threat Protection |
ExpressVPN | ✅(監査済み) | AES-256 | ✅(PwC監査) | TrustedServer技術 |
ProtonVPN | ✅(監査済み) | AES-256 | ✅(SEC Consult監査) | Secure Core(2重サーバー) |
Surfshark | ✅(監査済み) | AES-256 | ✅(Cure53監査) | CleanWeb(広告ブロック) |
NordVPNを安全に快適に使うための情報・まとめ

最後にこの記事を情報で役立つものをまとめて載せておきます。
